キットカットきっとぐにゃっと

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彼女は混じり物入りの消化剤中毒

 今日はちょっと音楽メモを。
 去年ぐらいにYouTubeにアップロードされてたオスカー・ピーターソン・トリオのMPSレーベル時代の名演を集めたコンピレーション盤みたいなのをなんとなく聴いてて、それに入っていた「イッツ・インポッシブル(It's Impossible)」という曲がすごく気に入って、それからちょこちょこ探していたんだけれど最近見つかったのでメモがてらここに書いておく。

 聴いてたのが上記の動画で、アルバムのタイトルは『Ballads, Blues&Bossa Novaamazonなんかで簡単に探してみると、同様のジャケットの日本盤が『ジャズ・クラブ~フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』という題で出ているのだけれど、これはオスカー・ピーターソンが死去したのに合わせて出たヴァーヴ・レコード時代の名演を集めたコンピレーション盤で、ジャケットこそ同様のものなのだけれど、それぞれ異なるレーベルの録音から厳選しているので、収録内容は完全に違う。
 自分が聴いたほうではジャケット右上のレーベルロゴが「MPS」となっているのだけれど、日本流通盤では「Verve」となっていることからも分かる(そんな微妙な部分だけ几帳面に直すくらいならもっと判別しやすいように完全新規デザインにしてくれればいいのに、と思わないでもない)

 それで、じゃあMPS盤を漁っていけばどこかしらに目当ての曲が入っているアルバムが入っているはず……と思って探したのだけれど、これがない。日本でもピーターソン・トリオのMPSレーベル時代の録音はかなり人気があって、この時期に出たアルバムのほとんどは日本盤が出ているので、まず見つからないってことはないはずだと思ったんだけど、いくら探してもない。

 で、仕方がないのでen:Wikipediaのピーターソンのディスコグラフィーの記事からMPSレーベルからのアルバム記事を片っ端から開いていって確認していった結果、ようやく見つかった。
 収録されていたのは『The Lost Tapes』*1*2という、1963年までのMPSレーベルの前期録音の中でアルバムに収録されなかった演奏をまとめたアルバムで、リリースされたのは1995年。日本盤はLP、CDともになし。CDメディアでは単体販売は絶盤、MPS前期録音の総集編ボックスセット『Exclusively for My Friends』*3*4の2015年復刻盤と併せてのみ手に入るそうな。もとのコンピレーション盤『Ballads, Blues&Bossa Nova』は日本独自の編集盤にカバーデザインを借用されているとおり、日本盤の流通はなく、元のアルバムもどうやら絶盤になっているよう。

 まあ、収録されてるアルバムは分かったけど手に入らないっていう。ちなみにこの『It's Impossible』はオスカー・ピーターソンの自作曲で、他にもMPS移籍前のライムライト・レコードでのトリオ録音『ブルース・エチュード(Blues Etude,1966)』にも『L'impossible』という曲名(おそらくこっちが正式名称)で収録されていたり、同様の曲名でパブロでのリーダー作『If You Could See Me Now(1983)』でもピアノ、ベース、ドラムトリオ+ギターでの録音が残ってて、これもなかなかいい感じ。ただ、個人的にはやっぱりMPSでの録音が一番好みで、流麗なソロはもちろんのこと、とりわけピアノの主線からゆっくりドラムが入ってくるところがとてもよい。
 スタジオアルバムに収録されないまま30年前後も放置されてたのがすごく不思議なんだけど、やっぱりこの録音が漏れるくらい音楽的に充実してた時期だったってことなんだろうか。

 ピーターソンのMPSでの録音は、最近でも復刻の流れがあって、去年にも最新リマスター盤が新規書き下ろし付きで復刻されてる。この中の『ウォーキング・ザ・ライン』を買おうかずっと迷ってて結局買ってないんだけど、せっかくひとつ文章書いて気分も乗ってるし、買っておくかなあ。